この幼稚園では、卒園式にとび箱10段を跳べるように練習します。
しかし卒園を待つことなく、少年は引っ越しすることになりました。
お母さんが病気になってしまったためです。
この日は跳び箱飛びの発表会。
卒園式当日出席出来なくなってしまったので、この子の早めの卒園式を兼ねています。
お母さんは療養中で出席出来ていません。
とび箱に挑戦する前、大きな声で少年は言いました。
”「強い心を持ちなさい」
泣き虫の僕に
いつも先生達が
いってくれました
とび箱、レスリング
涙が出ることもあったけど
みんながたくさん応援してくれました
僕は明日、長崎へ引っ越します
お父さん、お母さん
一緒にがんばろうね”
そして少年はとび箱に向かって走り出します。
何度挑戦しても跳べない園児に、普通なら諦めさせるところでしょう。
しかし途中で響いた先生の言葉は、
「年長、力を貸しあげて、円陣!」というものでした。
園児達が和になり
「できる!できる!できる!」
と叫んだ後、見事に跳び越えることができたのです。
励ましてくれた仲間
応援してくれる先生達
病気で来られなかったお母さん
会場で見守る人たち
たくさんの人々の思いが園児に奇跡を起こしたと思います。
生命力が輝いた瞬間でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。