私の鍼灸院に通っていただいている方の中に「私は眠り病で困っています。」という人がいます。ご本人からぜひ多くの人に知ってほしいという要望があり、ブログ記事にしました。
「過眠症」とは
銀行で順番を待っている間、何気なく手にした週刊朝日(7月17日号)に「過眠症」の記事が掲載されていました。
過眠症は睡眠障害の1つで「昼間に耐えがたい眠気に襲われる」という特徴があります。仕事中や会議中、授業中など寝てはいけない場面でも爆睡してしまうので、怠け者とかダメな奴と思われがち。
でも過眠は病気で起こる可能性があるんです。
周りにも、病院でも理解されない苦悩

当院に来てくださっているSさんもその1人。
「いくら寝てもすぐ眠くなり、昼間でも起きてられないんだよ」と嘆いています。
何カ所も大きな病院を回ったのに原因不明。医師からも「寝られないより良いのでは」とか、「気にしすぎでしょう」と言われることも多いそうです。
薬もなく、何をしても改善しません。
何よりつらいのが周囲の目。大事な会議中に眠ってしまい、「お前やる気あるのか?」と叱られることもシバシバ。「また寝てたよ」と笑われるのが切ないと言います。
私も正直なところどうしていいのかわかりませんでしたが、雑誌の記事を読んでハッとしました。周囲の理解が何より大切だと。
「不眠」は認知されていても、「寝過ぎ」に関しては理解不足が現状です。
過眠症の原因と基準

日本大学医学部客員教授で東京足立病院副委員長の内山真医師によると、過眠症は大きく分けて2通りあります。
脳の機能に関連して起こるもの
・「ナルコレプシー」
・「突発性過眠症」
夜間睡眠の質や量の低下で起こるもの
・「睡眠時無呼吸症候群」
・うつ病、甲状腺の病気、がんなど別の病気から現れるもの
「ナルコレプシー」はオレキシンという物質の不足が原因ということが最近の研究でわかってきたそうです。
オレキシンは覚醒を維持するために働く脳内物質。
これが足りなくなると強烈な眠気に襲われるといいます。
眠る直前に怖い夢を見たり、金縛りに遭ったりするのもこの病気の特徴なんですって。
過眠症を理解して差別をなくそう
すぐ眠くなる人は「やる気がない」「だらしない」と思われてしまいます。
でもそれは病気が原因かもしれません。
居眠り運転による交通事故も、これらの病気が関わっている可能性があります。
単なる睡眠不足と間違われ、医師でさえも診断が難しいといいます。
今は保険適応で薬による治療もできるので、心配な人は一度専門医を受診してみましょう。
日本睡眠学会のホームページです。ここで認定されている先生を探してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。